しまなみ街道のとある場所に、日本の有名なお寺を1ヶ所に集めた場所があるらしい。しかもその中にはちょっと怖いお化け屋敷のような所や、インスタ映えする海外のような所も存在するらしい。ということでお邪魔してみた。
入り口を抜けると…
ここは…
四天王寺?

日光東照宮?



平等院鳳凰堂?



いいえ、違います。
ここは広島県尾道市。しまなみ海道の生口島にある、耕三寺。


平等院鳳凰堂は耕三寺の本堂、四天王寺の金堂は博物館になっている。なんとも豪華。そして日光東照宮に関しては、本物の陽明門の実測図が建築の際に使われており、各部の比例も一致しているほど精巧な作り。
何のために建てられたのか?
母親への報恩感謝の意を込めて、息子が建立した寺院なのだ。
息子は実業家であった金本福松。1934年に母親が亡くなってから、仏教を拠り所にするようになり、母の菩提寺を作ろうと考える。


翌年得度を受け、「耕三」という法名を受ける。1970年に亡くなるまで生涯をかけて耕三寺を建立した。
金本福松は、1956年に苗字を改名した。
のちの名前は、耕三寺耕三。
素晴らしいネーミングセンス!
ここには他にも日本の有名なお寺の様式や手法を用いた建造物がたくさん。現在では、国の有形文化財に登録されている建物が多く、寺全体が博物館として公開されている珍しいスポットである。

宝生寺の五重塔がモチーフ。

銀閣寺を原型としたその名も銀龍閣。

薬師寺本堂の建築を取り入れた仏宝蔵。

滋賀の石山寺の多宝塔が原型。
千仏洞地獄峡
耕三寺博物館の中をさらに探索していこう。

本堂の横に何やら入り口が。
お化け屋敷のように真っ暗。
なんだか怖そうだけど入るしかない。


富士山の溶岩と浅間山の焼石で作られた洞窟には、たくさんの仏像が並んでいる。

地獄行きになってしまいました。


自分はどこに行くのだろう。八大地獄、そして六道を見ながら進む。
いろんな地獄を抜けた先には…

数え切れないほどの仏像が。
洞窟の中で一番開けた場所には滝が流れ、全方向から穏やかな顔で見られている。なんだか安心する。ここが極楽なのだろうか。
約千体の石仏が地獄と極楽を表している千仏洞地獄峡は、なんと全長約350mもあるらしい。
出口の明かりが見えてホッとした先に現れる巨大な観音像。びっくりしたー。

10mあるこちらは法隆寺夢殿の秘仏救世観音がモデル。
未来心の丘
地獄峡を抜け、さらに寺の奥に進む。

出てきたのは…

白い。

白い!

白い!!!
真っ白な世界。


彫刻家の杭谷一東氏が制作した未来心の丘は、イタリアで採掘した大理石をコンテナ船で運んで造られた。その規模なんと5000平方メートル。日本にはまるで見えない。
耕三寺にはお腹いっぱいになるほどの愛があふれている。
そんな、ハイカラスポット。
アクセス
耕三寺
所在地:〒722-2411 広島県尾道市瀬戸田町瀬戸田553−2
営業時間:9:00 - 17:00

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