
熊本市東区、秋津古屋敷公園。一見どこにでもある住宅街の憩いの場だが、ここには「公園の常識」を覆すストイックすぎる光景が広がっていた。そこに鎮座するのは、右を見ても左を見ても「河童」のみ。
なぜ、秋津の地はこれほどまでに河童を欲したのか?今回は、日本広しといえど類を見ない、カッパ一点突破の「偏愛公園」を探索する。
秋津古屋敷公園

熊本市東区の住宅街。
ふらりと立ち寄った「秋津古屋敷公園」で、我々はある種の衝撃を受けた。



驚くべきことに、この公園には「カッパ以外」が存在しないのだ。遊具というか、もはや我々の大好物のオブジェである。
ブランコやジャングルジムといった定番に頼らず、カッパ一点突破で攻めるその姿勢。
「ハイカラダイブ」の調査員として、この偏愛をスルーするわけにはいかない。(河童にまつわる伝承・伝説がある地域はどこでも飛んで調査に行くという活動も行ってます。現在は九州メインですけども。)
なぜ、秋津の公園はこれほどまでにカッパなのか?
秋津古屋敷公園にこれほどまでにカッパが密集しているのには、やはり理由があるのだろう。火の無いところに煙は立たない。
ハイカラダイブなりに調査を進めていくと、この公園から少し北にある江津湖に「上無田水神」が祀られており、どうやらその水神様というのは「河童」のことであるということが分かった。そして、古くから伝わる「願成相撲」という興味深い河童伝説が残っていた。
河童と願成相撲(要約)
昔、村で馬の疫病が流行り、大切な家畜を失う危機に直面した村人たち。 「馬が川に入ったときに糞や尿をするので、それに怒った河童の祟りに違いない」と考えた村人は、行者を招いて祈祷を行った。
行者が大きな杯にそうめんを浮かべて呪文を唱えると…… 不思議なことに「クチャクチャ」と音がして、あっという間にそうめんが消えたという。
「これで河童の怒りは解けた。願ほどきに相撲を奉納せよ」 行者の言葉通りに相撲を奉納したところ、疫病はピタリと止まった。
馬が川で用を足したことに腹を立てるという、なんとも河童らしい(結構、理不尽ではあるけども。)怒りの理由にニヤリとしてしまうが、村人にとっては馬というのは「運搬・牽引・肥料」なんでもこなしてくれるスーパーマンみたいな存在。まさに死活問題だったわけである。それにしても、今回学んだのは河童はそうめんが好きだだということ。初耳である。次に河童が出そうな場所に行く際にはそうめんを忘れずに携帯しよう。
杯の中でそうめんをクチャクチャと平らげた河童の末裔たちが、今はコンクリートの遊具となって子供たちを見守っている。
この公園に遊具がないのは、ここで相撲を取るのを河童達が待っているからなのかもしれない。この場所で相撲を取るという遊ぶ行為そのものが、ある種の「奉納」になるのかもしれない。

秋津古屋敷公園。 ここは単なる「珍しい公園」ではない。 食いしん坊で相撲好きな河童たちへの敬意が詰まった聖域だった。
もしここを訪れるなら、カッパ遊具の口元をじっと見てほしい。 もしかしたら、今でも微かに「クチャクチャ」と、そうめんを啜る音が聞こえてくるかもしれない。
そんな、ハイカラスポット。
🔍 今回の探索メモ・参考資料
アクセス
秋津古屋敷公園
所在地:〒861-2105 熊本県熊本市東区秋津町秋田3439
見学時間:24時間
このスポットのオススメ度。
ぜひ最初のご感想をお聞かせください。
このスポットに行かれた方。行った事ある方。ぜひオススメ度を教えてください!
(年末の祭典ハイカラダイブ大賞の参考にさせていただきます。)
コメント