愛媛県松山市の市街地にある松山城。その山腹にある超洋風な建物、萬翠荘。ハイカラの名に相応しい大正ロマンを感じられるスポットをご紹介。(日刊ハイカラダイブ第183回のアーカイブ版)
萬翠荘とは
萬翠荘は愛媛県松山城の山腹にある洋館。
大正11年に建てられたお城のようなこの建物は、松山藩15代藩主、久松定謨(さだこと)伯爵の別邸として建てられた。
屋根はフランスでよく見られる、天然のスレートを並べた鱗瓦と呼ばれるもの。
地下1階、地上3階の鉄筋コンクリート造りの建物は、当時としては先進的。
長くフランスに滞在した久松定謨は、純フランス風の建築を依頼。
依頼を受けたのは、木子七郎。
当時30代でお殿様の邸宅を造る事となった七郎は、数ヶ月間ヨーロッパで現地のエッセンスを吸収し、設計に取り掛かる。
構造からデザイン、調度品まで、何から何まで一級品で作り上げ流徹底ぶり。
そのため、ヨーロッパの人も驚くほどの美しい建造物が完成する。
七郎は大きな評価を受け、建築家としての地位を不動のものとした。
のちに愛媛県庁本館をはじめ、数多くの建築を手がけた。
建物全体の統一感はありながら、部屋ごとにそれぞれ異なる装飾や調度品がある。
シャンデリア、ステンドグラス、マントルピース、壁や天井。
どの部屋を見ても興味深く、360度どこを見ても細やかで美しい。
そんな、ハイカラスポット。
アクセス
萬翠荘 所在地:〒790-0001 愛媛県松山市一番町3丁目3−7 営業時間:9:00 - 18:00(月曜定休)
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