島根県浜田市宇津井町。ここに2度着工されたものの完成しなかった幻の鉄道がある。その遺構は現在も残されており、じわじわと自然に侵食されていく姿を見ることができる。今回は、そんなラピュタ感漂う幻の鉄道沿線を巡ってみた。
なんだこれは。

浜田市の県道301号を走ると突如現れる、コンクリートの遺構。


天空の城ラピュタに出てきそうな場所。
これは幻の鉄道の跡。
この橋脚やトンネルは一度も繋がることなく廃線となってしまったのだ。
幻の広浜鉄道今福線


こちらは今福線といわれ、広島と浜田を結ぶ広浜鉄道のルートとして、1933年に旧国鉄山陰線の下府駅〜石見今福駅までが着工された。
ほとんど完成していたのだが、1940年、太平洋戦争の影響で工事が中断。
戦後、今福線の工事が再開。以前工事を中断した旧線とは別に、新たに浜田駅から今福をつなぐルートで着工される。しかし1980年、国鉄再建法の影響を受け、工事が中止。引き継ぐ工事業者も見つからず、未完線のまま現在に至る。



長い期間をかけて作られた鉄道のためのトンネルや橋脚。特に完成間近だった旧今福線沿いにはトンネルが12本、橋脚10基、橋梁3本、アーチ橋5本と、ものすごい数の遺構が存在する。


現在も利用される鉄道遺構
幻の広浜鉄道の遺構は、使われないまま残されているものばかりではない。
一部は現在も利用されている。
こちらは今福第5トンネル。

現在はJR西日本の地震計が設置されている。
この5連アーチ橋は、現在は県道として使われている。

渡っているときは普通の道路にしか感じないが、下から見ると圧巻。
アーチ橋の奥に擁壁がある、面白い作りになっている。

この5連アーチ橋の下には、今福線の遺構マップやポストカードが置かれている。
マップを見ながら、数多く残っている鉄道跡に思いを巡らせてみてはいかがだろうか。

そんな、ハイカラスポット。
アクセス
広浜鉄道今福線 橋脚群展望台
所在地:〒697-0312 島根県浜田市宇津井町
マップには橋脚群の位置を示していますが、JR下府駅近くから県道50号に入り、そのまま県道301号を走るとトンネルや橋などたくさんの遺構が現れます。
 
          
   
   
      
   
   
      

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