気になる家紋 Episode3
獅子舞発祥の地 三嶋神社
全然違う目的で訪れた三嶋神社。ここにも例の家紋が。なぜだろう?家紋の謎に迫る第3弾(日刊ハイカラダイブ第225、226回のアーカイブ版)
日刊ハイカラダイブ第225・226回の冊子版
獅子舞発祥の地
家紋に取り憑かれているハイカラダイブです。
今回来たのは愛媛県今治市にある「三嶋神社」
ここが、とある伝統発祥の地との噂を聞きつけてやってきた。
それは、、、
まさかの獅子舞発祥の地。
そもそも「獅子舞」とは、厄払いの意味合いを込められている日本の伝統芸能である。
ところで、みなさんが今想像している獅子舞というのはコレだと思います。
ですよね。コレは獅子舞の有名な県の一つである富山県の獅子舞の写真。この獅子頭が人の顔を噛み「邪気を食べる」というのが大抵の獅子舞かと思われる。
しかし、実はこの今治市の三嶋神社発祥の獅子舞とはこの想像とは全然違う獅子舞。
ジャーン
これがこの地の獅子舞の「継ぎ獅子」と呼ばれているもの。
獅子の要素よ!って言いたくなる「獅子舞」
継ぎ獅子
この今治名物の「継ぎ獅子」とは
他県の獅子舞と同様に「獅子頭」と「胴幕」を纏って演舞した後にそれらを脱いでアクロバティックな組体操のようにトランスフォーム。
人の上に人が立ち、これとを継いでいく。
それが「三継ぎ」「四継ぎ」と高くなっていく。
コレが「継ぎ獅子」
江戸時代後期から明治時代初期の頃、元々は祭礼を盛り上げるために獅子舞を加えたいとの声から始まったそうで、それではとのことで三重県の「伊勢大神楽」を学びに行った。
「伊勢大神楽」とは
「獅子舞」を全国に広めたと言われている「神楽師集団」である。起源は諸説あり、室町時代から江戸時代に始まったとされている。400年から600年の歴史がある神楽師集団。
「伊勢大神楽」を派生させて技を磨き作られたのが今治の「継ぎ獅子」ということである。
「いやー。三嶋神社の境内で、なかなかいい歴史が見れたなー」なんて言いながらここでようやく三嶋神社に参拝しようと思った時に。。。
おおーっと。
これは、あの家紋じゃないか!
三嶋神社
なぜに神社に?来島村上氏の家紋が?なんて疑問が出てくる。よく境内を見渡せば、あらゆるところに例の家紋を見つけることができることに気づいた。
この家紋は「折敷に三文字」というそうで
大三島にある「大山祇神社」の神紋がこの「折敷に三文字」である。
この三嶋神社はその「大山祇神社」の祭神を祀っている為に神紋が同じということである。
「大山祇神社」とは
日本総鎮守と称されており、日本全体を鎮める神社である。大山積神を祀っている神社の総本社、つまり全国の三島神社の総本社である。山の神・海の神・戦いの神として武将などから尊崇されていた。
それでは、なぜに来島村上氏が神紋と同じ家紋なのか?
再度、村上水軍旗に戻ってみると村上海賊の家紋の「上」と来島村上氏の「三文字」が組み合わされていることに気付ける。
いろんな説があるのだろうが、村上海賊は大三島の「大山祇神社」と深い関わりがあったことには間違いない。
もしかしたら
「大山祇神社」に仕えていた神官は「越智氏」となり同じ「折敷に三文字」の家紋を用いていたということである。
その「越智氏」は派生し「河野氏」を名乗るようになった。そして、来島村上氏が仕えていたのは伊予国守護の「河野氏」そこから何かがキッカケで家紋を「折敷に三文字」にしたのではないだろうか?
海賊ロマンの深い家紋。
そんな、ハイカラスポット。
特集:気になる家紋 終。
アクセス
三嶋神社 所在地:〒794-0804 愛媛県今治市祇園町1丁目1−63 営業時間:24時間
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