
兵庫県豊岡市にある、玄武洞。人々はなぜここに足を運ぶのか。その魅力とは何か。どのようにして作り出されたのか。自分の目で確かめてみることにした。
規則正しい自然のかたち
玄武洞は日本でも有数の玄武岩の柱状節理を見ることができるスポット。国立公園として管理されており、公園内には名前のついた5つの洞を見ることができる。
階段を上がっていくと、視界いっぱいに広がる柱状節理は圧巻。

大きさの揃った岩が並ぶ。
岩が縦に重なる場所や横に流れている場所、方向は様々だ。
実に神秘的で、人工物ではない自然が作り出した規則正しさについ、人間は畏怖し感動してしまうものなのだと気付かされてしまう。
岩のナゾ
Q. なぜ火山岩が柱状になるのか?
A. これは柱状節理というもの。溶岩が冷えて固まる時に縮むため、亀裂が入る(←これを「節理」という)。その節理が柱のようになっているものを「柱状節理」という。
Q. 柱状節理がいろんな方向に伸びるのはなぜ?
A. どこから冷やされたかによって、柱の向きが変わってくる。

←この部分の場合。
亀裂は冷やされる側から垂直に入るため、写真の右側か左側の横方向から冷やされたと推測できる。
玄武洞では、同じ場所に様々な向きやサイズの柱状節理を観察することができる。
Q. 岩が輪切りになってるのは?
A. 柱状節理になった岩が、さらに横方向から冷やされると、そこからまた垂直に亀裂が入る。そうして輪切りにしたような状態になる。

Q. なぜ六角形の岩ができるの?
A. 実は六角形以外の形になっている場所もあるが、断面が六角形になりやすい理由は、大量の溶岩が同時に冷やされると、均等に収縮し、均等に裂け目ができる。その形が六角形になるという。

六角形というのは幾何学的で、自然界とは離れた形のように思っていたが、実は、構造が簡単な割に頑丈で安定性があるため、自然界ではよく見られる。蜂の巣、亀の甲羅、雪の結晶など。
実は六角形が自然界を牛耳っているのかもしれない。
ちなみに柱状節理を知っていると…
ゲームの世界でも楽しめます。普段あまり気にしない場所でも…

見つけると嬉しくなります。
無駄にその土地の歴史や背景を気にしちゃったりします。
モンスターハンター:ワールドより。
龍結晶の地。
Q. そもそも玄武岩とは?
A. 玄武洞の名前は中国の四神・玄武から来ている。玄武とは、亀に蛇が巻き付いた姿をしており、北を守護する神である。
言われてみればこの火山岩は亀甲の形であり、柱状節理はへびの腹のようにも見える。日本ではこの岩を玄武洞にちなんで玄武岩と呼ぶ。


活用される玄武岩
その非常に整った自然の産物は、人々に多くの文明をもたらした。
江戸時代には大きさが均一で利用しやすいことからも玄武洞は砕石場として活用され、玄武岩は石垣・庭石として活用されていた。

城崎温泉。どこに玄武岩が使われているでしょう?

正解は川の石垣でした。成形しなくても綺麗に揃ってます。
早くてもダメ。圧がかかりすぎてもダメ。非常に気が遠くなるような時間をかけて奇跡的に形成された玄武岩の柱状節理。



壮大な歴史を肌で感じるために足を運びたい。
そんな、ハイカラスポット。
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