
島根県松江市。歴史深い城下町には、様々な不思議な話が伝わっている。小泉八雲が愛した松江、そして怪談の舞台になった松江。そこにはどんな魅力があるのだろう。今回は怪談「小豆とぎ橋」の舞台になった普門院にお邪魔してみた。
松江城下にある普門院
小泉八雲の「怪談」に登場する、小豆とぎ橋のお話。普門院の正面にかつてあった橋がその舞台だという。

普門院とは、松江藩の初代藩主である堀尾吉晴が松江城下町を造成した当時開創された、400年の歴史をもつ天台宗の寺院。


本堂の横の掲示板にあった、住職の標語。
ジム・キャリーを選ぶセンス、好きです。
普門院の奥には観月庵という茶室があり、庭を眺めながらお抹茶をいただくことができる。小泉八雲はここでお茶の手ほどきを受けたのだとか。

明治24年、小泉八雲は当時の普門院の住職を自宅に招き、松江市の教育者であり八雲が信頼していた人物である西田千太郎と三人で会食をし、怪談について詳しく取材をしたという。その時にできたのが「小豆とぎ橋」のお話。
この頃に日本の怪談を書く構想が八雲の頭の中で広がっていったといわれる。
小豆とぎ橋のお話

昔、普門院の近くに「小豆とぎ橋」という橋があった。

この橋では夜になると女の幽霊が現れ、橋の下で小豆を洗っているという言い伝えがあった。
ここで謡曲「かきつばた」を歌いながら歩くとよくないことが起きるという。
それを聞いて、怖いものなしの侍が「かきつばた」を歌いながら橋を渡った。
しかし何も起きなかった。
侍が家に着くと、女が立っている。
贈り物だと言って箱を侍に渡すと、女はいなくなった。
侍は箱を開けた。
そこには血まみれになった生首が。
侍は驚いて家に入ると、そこには頭をもぎ取られた我が子の体が横たわっていた。

そんな、怖い話の舞台、普門院。
普門院前の橋は現在は普門院橋という別の橋になっているので安心して通っていただきたい。普門院橋の下には堀川遊覧船が通っているので、また違った角度から怪談の舞台を見るのも面白そうだ。

実は普門院には、もうひとつ怖い場所がある。
それは入り口にある山門の内側にある。
山門の天井なのだが、おわかりいただけるだろうか?

複数の手形が確認できる。
元々は手形ではなく、幽霊の足跡が残っているとして有名だった。

しかし現在では複数あったものが見えにくくなっており、後に出てきた子どものもののような手形の方がはっきりと確認できる。
ちなみにこの山門の高さは3.5メートル。
子供の手が届くような高さではない。
何者の跡なのだろうか…
そんな、ハイカラスポット。
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アクセス
清光院
所在地:〒690-0875 島根県松江市外中原町清光院下194
観月庵は8:00-16:00まで。火曜休。
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