断崖に鎮座する河童のユートピア、「皇産霊神社」【北九州B級スポット】

門司区・皇産霊神社の河童たちは、なんとも懐が深い。海水の塩分にも負けず、人々の穢れを洗い流し続ける河童と、和を説く聖徳太子。一見ミスマッチな彼らが、この絶景の中で調和して見える理由とは?今回はそんな、皇産霊神社を探索。
門司の住宅街を抜けた先の「異世界」

「本当にこの先に神社があるのか?」と不安になるような、門司区の細い坂道。その終点に突如として現れる、関門海峡側ではなく、小野田市の方面を見渡すことができる圧倒的なパノラマ。そんな絶景の場所にあるのが、「皇産霊(みむすび)神社」である。
海を見つめる「河童」



この神社に設置されているのは、広大な海を見つめる大量の河童たち。「千両万両河童」、「健康河童」、「合格河童」など、今までに聞いたことのない個性の強すぎる河童たちが勢揃いしている。

そんな河童を統率しているのがこの中央に君臨している「河童大明神」である。
河童という妖怪は、昔から全国各地で確認されているが、大抵は流れの早い川など、危険性が高い川に近づかない様にするための口実に使われることが多い。大抵の場合は淡水だが、ここの河童が見つめているのは大海原。海水であり、全国的にも結構珍しい河童だと思われる。
また河童はイタズラ好きであり「気に入ったものはなんでも川に引っ張り込む」という得意技を持っている。この「皇産霊神社」の河童たちも引っ張り込むことが得意な様で、よくないものを引っ張り込んで、しかも、洗って福に変えてくれるんだそうである。なんとも素敵な河童である。
唐突に現れる「聖徳太子像」
境内にはもう一つ、この河童たち並みに気になるところがある。

それが、この「聖徳太子像」である。聖徳太子のゆかりの地といえば思いつくのは歴史深い「奈良県」であ流。まさか、北九州に聖徳太子が遊びにきていたのだろうか?
像の隣の石碑に描かれているのは「和を以て貴しと為す」という十七条憲法の冒頭部分である。昔学校で習ったやつ。純粋に平和を願って聖徳太子像なのか、別の意味合いがあるのか。若松区の「建昌禅寺」にもカラフルな聖徳太子がいたりと、意外と北九州に聖徳太子スポットがあったりする。
建築などで使う(ホームセンターでも売っている)「差金」を中国から持ち込んだのが聖徳太子という一説もあり建築や大工の神様としても信仰が厚い聖徳太子。門司の港を支えた職人たちが、河童の守る『水』と、太子の守る『技』をこの断崖に集結させたのだろうか。

一見するとB級感溢れる「河童」と「太子」の組み合わせ。しかし、それらが絶景の中に並ぶ姿は、不思議と調和している気がする。海水の塩分にも負けず、人々の穢れを洗い流し続ける河童と、和を説く太子。この不思議な調和こそが、門司の崖っぷちに見る『祈り』の形なのかもしれない。
そんな、皇産霊神社。
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