
精霊流しとは、毎年8月15日に行われる、故人の霊を弔い極楽浄土へ送り出すための賑やかで独特な伝統行事である。賑やかで。というのは、これぞ長崎ならではなのであろうが、耳をつんざくほどの激しい爆竹が鳴り響き続けるからである。
なぜ爆竹を鳴らすのか。これは中国文化に由来するもので、「魔除け」や「清め」の意味があり、精霊船が通る道を清めるために鳴らされると言われている。その精霊船というのは、故人の遺族が手作りした船で、故人の霊を乗せるとされている。大小さまざまな船があり、竹や板、わらなどが主な材料。特徴的な船首には家紋や家名、町名が記され、故人の趣味や趣向を凝らした装飾が施されたりしている。
なぜに長崎の地でこのような精霊流しが行われるのかは諸説あるようだが、江戸時代に行われていた中国の行事「彩舟流し(さいしゅうながし)」の名残という説が有力である。これは、通訳や貿易のために日本を訪れた中国人が亡くなった際に行われた供養法として知られている。爆竹を使う風習も、この影響を受けているとされている。
そんな、ニッポンの伝統の長崎の精霊流しを写真でお届け。
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