【珍オブジェ】シリーズ「黒川さん」第1回。謎のサックス奏者、黒川さん。【長崎県】
坂の街、長崎。異国情緒あふれる美しい街並みを歩いていると、時折、世界の『バグ』のような光景に出くわすことがある。賑やかな通りに置かれた、一脚のベンチ。そこに腰掛け、静かにサックスを奏でる男。
頭上に鳩を鎮座させ、一切の迷いなく虚空を見つめるその姿は、彫刻という概念を超えて、長崎の街の一部として完全に『同化』していた。今回は、そんな謎多きストリートミュージシャンを尋ねる。
シリーズ「黒川さん」 第01回
謎のサックス奏者、黒川さん。
Nagasaki
長崎の港から吹き抜ける潮風に誘われて、我々はある男に会いに行くことにした。
場所は、歴史の面影を色濃く残す超A級観光名所といっても過言ではない「出島」のほど近く。路面電車も行き交い、中華街も近くという人通りの激しい交差点である。
そこに、彼はいた。
Nagasaki
街の喧騒をよそに、ひとり悦に入った表情でサックスを奏でる、恰幅のいい男性。
そう、界隈では親しみを込めてこう呼ばれている。通称:「黒川さん」
この「黒川さん」を生み出したのは、彫刻家の黒川晃彦氏。
氏の作品の代名詞とも言えるのが、この「ヌードサックス」という、文字通り上半身裸で楽器を構えるストロングスタイルである。なぜ裸なのか。なぜサックスなのか。気になることが多すぎる。
聞くところによると全国各地に出没しているというこの「黒川さん」。それぞれの地で、その纏うオーラもガラリと変わっているようだ。今回の長崎の黒川さんは、観光客が行き交う一等地にありながら、完全に周囲の空気から切り離されていた。
Nagasaki
Nagasaki
しかも、彼はサービス精神旺盛のようである。
「さあ、あんたも一緒にどうだい?」と言わんばかりのスペースが空いている。そう、ここは横に座って「記念撮影ができる」もしくは「同じ時間を過ごせる」という、黒川さんからの愛を存分に堪能できる場所なのである。
長崎の空に今日も彼の「無音のジャズ」が鳴り響いている。
- 楽器の状態磨き抜かれたブロンズ
- 頭上の同居人鳩(1羽)
- 目線の先遥か彼方のグラバー園
- 周囲の空気完全に無視されている
- 設置場所 マップ
コメント