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北九州B級スポット

住宅街に現れた「遊具の動物園」。朽網公園に集う、獣たち。【北九州の珍公園】

古代の天皇が踏みしめたという伝説の巨石「帝踏石」。そのすぐ傍らに、もう一つの「カオスな聖域」が存在する。昭和54年の開園以来、朽網の子供たちを見守り続けてきた『朽網公園』。一見どこにでもある地域の公園だが、一歩足を踏み入れれば、そこは様々な獣たちが集う遊具の動物園だった。今回は、神話の影に隠れた、自由すぎる昭和遊具のワンダーランドを探索する。

巨石のすぐ近くにある公園

前回の帝踏石に引き続き、今回も朽網の町にあるスポットを探索する。

住宅街にある、謎の巨石スポット「帝踏石」からすぐにある公園、「朽網公園」にやってきた。公園の看板を見る限りでは昭和54年に作られた、今年で47周年にもなる古くから愛されている公園である。

公園といえば、学生の時は何をするわけでもなく集まって話す思い出の場所だったり、その地域に住む方にとっては軽い運動までこなせる憩いの場である。そして、すべり台や鉄棒などの遊具とパーゴラやベンチが設置されているのが、まあ、デフォルトの公園かと思う。

しかし、この「朽網公園」は少し違う。

入口のすぐ脇に現れたのは、パンダとトラの動物遊具。少し離れたところにはカメ。パンダの遊具のかわいさはハンパない。

さらに敷地を歩いてみると、先ほどとは少しテイストの違ういい表情のパンダ。どうやら、ここは遊具の動物園のようだ。動物のスプリング遊具が強化されている公園はちらほらあるけども、このオブジェタイプの動物遊具がこれほどまでに設置されている公園も珍しい。

さらに見てみる。謎のシーンの馬の遊具。馬の遠吠えだろうか?ん?馬の遠吠えって聞いたことがないけど、あるのだろうか。口の向きからは「ワオーン」と聞こえてきそう。まあ、馬だし「ヒヒーン」と言ってるのだろう。何にしても、こんな遊具初めて見た。

ちなみにこの馬達を別の角度からも観察してみると、ドットのような模様がうっすらと入っていることが分かる。もしかしたら昔は「キリン」だった可能性もある。この謎が多い生物の魅力に取り憑かれてしまった。

奥にはさらにパンダの遊具が。

パンダのバリエーションには驚かされる。園内には3種類のパンダ遊具が点在しているが、どれ一つとして同じ顔をしていない。あるものは虚空を見つめ、あるものはシュールな微笑を浮かべる。47年の時を経て、塗り直されるたびに個性が爆発していったのだろうか。これほどまでにパンダの多様性を感じさせる公園は、北九州広しといえどここだけかもしれない。

そして、最後に現れたのは、2体の自分のことをライオンだと思っている「ワンちゃん」の遊具だろうか。飼い主が黄色いタオルを被せて「あなたは立派なライオンよ。」と言われ続けて、その気になってしまった「ワンちゃん」の感じがする遊具。もしくは、ゲーム「モンスターハンターシリーズ」に出てくるライオンぽいタテガミを持つモンスター「ロアルドロス」にも似ている。

ライオン風に見えるものの、まさかあんな獰猛なライオンがこんなにも実家でくつろぐ柴犬のような従順な座り方をすることはないだろうから、これはライオンではないのだろう。この『設定の噛み合わなさ』こそが、長年地元に愛されてきた公園特有の、肩の力が抜けた空気感を作っていると思われる。だからこそ、古い公園遊具は面白い。

昭和54年から、この場所で子供たちの成長を見守り続けてきた彼ら。47年という歳月の中で、色褪せ、形を変え、時には「自分が何者か」さえ分からなくなってしまったのかもしれない。 だが、それもまた、この公園が刻んできた時間の深さなのだろう。

住宅街の静寂の中に佇む、サイコーな動物たち。彼らが守っているのは、神話のようなたいそうな伝説ではなく、もっと身近な「子供たちの放課後」という何気ない平和だ。

次にこの公園を訪れる時は、ぜひあの「ライオンのようなワンちゃん」の背中に乗ってみてほしい。

そんな、朽網公園。

seach&edit by QQmagazine

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