
海辺で見かける「消波ブロック」。我々が知っているそれは、せいぜい人が腰掛けられる程度のサイズだろう。だが、北九州の最果て・若松区の響灘には、そんな常識を軽々と吹き飛ばす「怪物」が鎮座している。その正体は、日本のエネルギー安全保障を担う、国家規模のミッションに関わるものだった。今回は、土木技術の粋とシュールな光景が交差する「白島展示館」消波ブロックを調査する。
白島展示館の消波ブロック

消波ブロックとは、その名の通り、海岸や港湾で波のエネルギーを吸収・分散させ、護岸や堤防を保護するコンクリート製のブロックだ。一般的には「テトラポッド(商標登録)」の名が有名である。

そんな、消波ブロックに会いにやってきたのは 若松区・響灘の臨海エリアにある「白島展示館」。
その施設の敷地内に置かれているのは、巨大な消波ブロック。(写真ではちょっとサイズが分かりにくいけども。)
なぜ、これほどまでに巨大なコンクリートの塊が存在するのか?その背景には、海に浮かぶ「国家の心臓」を守るという、壮大なミッションが隠されていた。
巨大消波ブロックの役割

今回訪れた「白島展示館」は、ガソリン価格が注目される今こそ知っておきたい「国家石油備蓄基地」の役割や、洋上備蓄の仕組みを学べる入場無料のPR施設だ(※施設内は機密情報が含まれるため、写真撮影は厳禁である)。

場に置かれた消波ブロックは、一見するとシュールな現代アートのようだが、実はここから沖合8kmに浮かぶ『白島国家石油備蓄基地』で実際に使用されているものの実物大模型である。日本のエネルギーの生命線である石油。それを積んだ巨大な貯蔵船を玄界灘の荒波から守るため、32トン、そして日本最大級のサイズである64トンという規格外のブロックが投入されているのだ。海底から海面以上まで積み上げられたその高さは、実に13.5m。どんな高波も寄せ付けない鉄壁の布陣である。

この巨大なブロックが海中に数万個も沈められているという事実に、もはや脳の処理が追いつかない。残念ながら、かつて中央にあった最大サイズのブロックは数年前にひび割れで撤去されてしまったというが、残されたブロックだけでもその威圧感は十分すぎる。


さらにその横には『防油堤』や『船の二重殻構造』の実物大カットモデルまで展示されている。国家機密レベルの壮大なインフラ設備の一部が、広場にしれっと、かつ無造作に置かれているこの空気感は、QQマガジン的に「サイコー」の一言に尽きる。
日本のエネルギーを支えるという壮大なミッションを背負った、重さ数十トンのコンクリート。そんな「国家の威信」の結晶が、まるで巨人が置き忘れたオモチャのように、芝生の上にポツンと展示されているこのシュールさこそがたまらない。
荒れ狂う玄界灘と闘う海中の仲間たちをよそに、陸に取り残されたこの巨体は、今日も若松の穏やかな海風を浴びながらのんびりと日向ぼっこをしている。 大きすぎる機能美は、時として最高のB級スポットへと姿を変えるのである。
そんな、白島展示館。
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