
車を運転しているとき、誰もが必ず目にする青い「指定方向外進行禁止」の標識。普通なら、まっすぐか左右を指すシンプルな矢印だが、ここ北九州市には、ドライバーの脳を一瞬でフリーズさせる通称「異形矢印」が多数棲息している。三叉路、五叉路、グニャリと曲がった奇妙なフォーク型まで。なぜこれほどまでに複雑な矢印が生まれたのか? 今回は、北九州の複雑な道路事情が産み落とした、知られざる「路上の幾何学アート」の世界を探索する。
北九州の異形矢印

工業都市として、そして古い城下町や宿場町としての歴史がモザイク状に絡み合う北九州市。その結果、街の至る所に「どうしてこうなった」と言いたくなるような、初見殺しの変則的な交差点が誕生することとなった。そして、その迷宮のような分かれ道をドライバーに伝えるために作られたのが、これらの矢印たちだ。

コレは小倉北区の小倉警察署前の密で見つけた異形矢印。非常にいい!
「はーい!」と手を挙げているように見える標識。

若松区で見つけたこの異形矢印もなかなかなもの。異形Y字にシュッとおしゃれな斜め線が挿入されている。
ごちゃごちゃとした電線や味のある街並みに溶け込む異形矢印標識は、完全に現代アートの佇まいである。

またしても若松区で見つけたのは、グニャリと不自然に右へ折れ曲がった矢印。 勝手にこれをカギ尻尾と名付けた。なんだろう。ちょっと小悪魔の尻尾感すら漂うこの標識は、バランス的にも非常に好き部類だ。

他にも、Y字にコブがついている標識まで。若松区には非常にたくさんの異形矢印が散りばめられている。

最後にラスボス級の、まるで雪の結晶かSF映画の秘密組織のマークにしか見えない六方に広がる矢印。
「全方位どこにでも行ける」と言われているようだが、情報量が多すぎてナビゲーションとしての機能を一瞬見失いそうになる。
コレは勝手にカッコよく横文字にスターバーストと名付けてみた。

普段、何気なく通り過ぎている道路の標識。
次に赤信号で捕まった時は、ぜひ頭上の青い円を見上げてみてほしい。そこには、あなたの脳を気持ちよく混乱させる、奇妙な矢印が手招きしているかもしれない。
そんな、北九州の異形矢印標識。
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