愛媛県松山市にある石手寺。観光スポットでもあるこの寺には不思議なものがいっぱいあるとの噂を聞きつけて調査にやってきた…
異空間の寺、石手寺
愛媛県にある四国八十八ケ所霊場の第51番、石手寺。
道後温泉の近くとあり、非常に多くの国内外の観光客が訪れるお寺。
愛媛県といえば、日刊ハイカラダイブ224回で紹介した村上海賊が形式的に仕えていた河野氏が治めていた地として有名であるが、その河野氏の元祖とされている河野玉澄が728年に創設し、実に1300年の歴史あるお寺である。
「衛門三郎再来の石」
石手寺という名前。コレについては伝説がある。
伊予国主の子供が生まれつき左手を固く握ったまま開こうとしなかった。それを安養寺の住職に祈祷を依頼したところ、手が開いたという。
その開いた手には「衛門三郎再来」と書かれた石が握られていたという。その後に伊予国主は安養寺の名前を石手寺に改名したとのことである。
ここに出てくる「衛門三郎」とは?
先ほどの伝説にはもう一つ伝説がある。
「衛門三郎」は伊予国の豪農であった。強欲な人間で、その昔弘法大師に無礼を働いたことをきっかけに自分の全ての子供を失ってしまった。
そこで、今までの無礼を公開した「衛門三郎」は改心し四国霊場巡礼を始めた。
何巡目かの際にいよいよ病に倒れてしまった「衛門三郎」のもとに弘法大師が現れて「よく改心し四国巡礼をした。最後に望ものは何か?」と聞かれ「衛門三郎」は「河野家に生まれ、人の役に立ちたい」と伝えたところ、弘法大師は「衛門三郎再来」と石に書いて握らせたという。
少々長くなったが、これが石手寺の名前の由来となった「衛門三郎再来」の石の伝説である。
そんな「衛門三郎」の像が入り口すぐに佇んでいる。
左手は固く握られている。これは「衛門三郎再来」の石を握りしめているからだろうか?
この「衛門三郎再来」の石は宝物館にて展示されているそうである。(今回は行かなかった。行けばよかったー)
「いろんな異空間」
上から吊るされた手毬のようなものに、いっぱいの仏像達。
多彩色で構成される異空間である。
壁一面に無数の文字。
これも異様な光景である。
つい、いいの?神聖な場所の様だけど…って思ってしまうが、ここは弘法大師を祀る、大師堂の裏壁。夏目漱石や正岡子規のらくがきがあったことから落書き堂と呼ばれている場所。
佇む巨大な金剛杵。
高さは2m程。こんな不思議な物があるのに、違和感を感じさせないのが石手寺のすごいところ。
奥には、また少し空気が変わった場所がある。
洞窟入口。
これは五百羅漢像だろうか?ここでは全員笑っているのも少し不気味である。
それでは洞窟に入ってみるとしよう。
マントラ洞窟 その1
洞窟の奥にある弘法大師の修行場。
マントラ洞窟の入口。
入り口に立ってみると、空気が全然違う。
中は道が二手に分かれており、まっすぐ行けば奥の院へ繋がる道。
今回は弘法大師が修行した場所へと繋がる右手の道を進んでいく。
ひたすらに真っ暗に近い道を歩いて行く。
なんか少し漂ってくる廃墟感。
早速情報量の多いポスターらしきもの。何が表現されているのはわからない。
何か宇宙的なものを感じてしまう。
左手のお地蔵さんは四国八十八ヶ所霊場の各所の砂がありここだけで四国霊場巡りが出来るようになっているとのことである。
着いた。
おそらく、ここが弘法大師が修行した場所であろう。
何やら物凄く、厳かな雰囲気である。
何がどうなっているのか、全くわからない。
とにかく異質な空間である。
※見やすく写真は明るめにしていますが、実際は奥にある裸電球並の明かり一個だけ。相当暗いんです。
出口だ。
落書き堂の真後ろに出るようだ。
ようやく異次元から脱出したようだ。
長さ160m程の距離なのに数時間は洞窟内にいた気がする。
マントラ洞窟 その2
奥の院への道。
マントラ洞窟をまっすぐ進んでいくことにする。
真ん中にはまたもやお地蔵さん。
暗い道なので、このお地蔵さんを頼りに進んでいくことになる。
少し開けたところにはでかい仏像。
そのまわりにはピカピカ光っていたであろう電飾っぽいものが。
入り口にあったマップではここは胎蔵界というらしい。
感謝の場だそうだ。
カラフルなトーテムポール風な仏像が寄り添う様に置かれていたりとまたもや異様な光景。
もう一つ開けたところではやはり、電飾とお地蔵さん。
ここは金剛界。
悟り世界の修行道場とのことである。
ムズカシイ。
出た。
なぜか入り口は隠されている。
マントラ塔
キングスライム型の黄金塔。
実に奥の院なんてありそうにない道である。
昔は何かのオブジェやらがいっぱいあったポイのだが、今は何もない。
奥の院はなくなってしまったのだろうか。
なんて不安がよぎってくる。
壮大な黄金の建物。
どうもこれが奥の院、マントラ塔らしい。
またもや異空間に誘われてしまった。
巨大な手の中には無数のビー玉達。
数はいくらあるのだろう?煩悩の数と言われる8万4千だろうか?
周りには無数の木彫りの五百羅漢像。
そして、その五百羅漢の端っこにいるのが…
なんとも理解を超えた不思議がいっぱいの寺、石手寺。
テーマパークよりも一日楽しめてしまう。
そんな、ハイカラスポット。
アクセス
石手寺
所在地:〒790-0852 愛媛県松山市石手2丁目9−21
営業時間:24時間
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