街の風景に、知らず知らずのうちに溶け込んでいるオブジェたち。
「あっ!そういえば、そんなのあったな!」
記憶の片隅にある、そんな“ちょっと気になる存在”を深掘りしたり、しなかったり。日常の風景が少しだけ面白くなる、オブジェ好き「ハイカラダイブ」の探索シリーズです。
第03回
姫路市の
「巨大カニ爪」
兵庫県姫路市の山奥に現れた、巨大なカニ爪オブジェ
「気になるオブジェ」の第3回は、兵庫県姫路市で発見したオブジェ「巨大なカニ爪」。

今回はついに巨大生物である。まず、このオブジェをじっくりと見てみる。デカい。そして、やけにリアルだ。茹で上がったカニ特有の鮮やかな赤色、関節のシワ、そしてハサミの絶妙なカーブ。どう見ても、規格外の巨大ガニがここに爪だけ落としていったとしか思えない、B級パニック映画のワンシーンのような完璧なカニ爪像である。

そして、この像が設置されているのは兵庫県姫路市にある「ヤマサ蒲鉾株式会社」さんの工場敷地内。
ん?「蒲鉾(かまぼこ)」?
カニの直売所や港町ならわかる。しかしここは魚のすり身を扱う蒲鉾の会社だ。立派な魚のオブジェならともかく、なぜ蒲鉾屋さんのド真ん中で巨大なカニ爪がフルスイングでアピールしているのだろうか。
かにつめ風かまぼこ発祥の地

このヤマサ蒲鉾さんは、今や世界中で愛されているサラダの定番「かに風味かまぼこ(カニカマ)」の中でも、高級感あふれる「カニ爪」の形をしたカニカマを日本で初めて開発した発祥の地なのだという。
本物のカニに近づけるため、カニの繊維感やほぐれ具合、そして鮮やかな赤色を蒲鉾で完全に再現しようとした、職人たちの執念と技術の結晶なのだろう。そして、この巨大オブジェは、その偉大な発明を記念するモニュメントということだ。

本物ではない「カニカマ」の発祥の地なのに、オブジェは限りなく「本物のカニ」に近づけてリアルに作ってあるという、なんとも奥深いねじれ現象。 本物を超えようとした職人たちのプライド。そんな思いがあるからこそ、蒲鉾の会社でありながら、リアルさながらの巨大なカニ爪オブジェが建てられているのだろう。
そんな、ハイカラスポット。
※2024年10月訪問時の記録です。現在は変わっている可能性もあります。ご了承ください。
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