地獄極楽
大分県宇佐市にある安心院町にやってきた。宇佐市といえば、全国的に有名な宇佐神宮をはじめ、自然豊かな風景や美味しい食べものなど、魅力が満載な都市である。
そんな宇佐市から別府方面へ向かう国道500号を少し逸れた場所に今回の目的地がある。
その名も、
地獄極楽。
なんとも怖い名前が付けられている場所である。どういうことだろう?地獄?極楽?分からない。
でも、とりあえずは勇気を出してこの階段を上がっていく。
意外と平凡な建物にたどり着く。「礼拝堂」と書かれている。
礼拝堂の前に置かれているのは賽銭箱。この地獄極楽の拝観料は100円とのことである。めちゃくちゃ激安。
しっかりと管理はされているのだろうが、破れている紙が少し不気味さを演出してくる。
入口向こうという矢印のみを目印に歩いていく。
ジャン!
閻魔大王が登場。どうやら、地獄からスタートするようである。
ここ、地獄極楽とは江戸時代に桂昌寺という荒廃した寺の跡地に、天台宗の僧が作った大衆教導の遺跡である。いわゆる、江戸時代に作られた手作りの地獄と極楽両方を学べるテーマパークというわけである。
解説では初めは 閻魔庁で閻魔大王から裁判を受ける と書かれているので、ここは閻魔庁の裁判所らしい。
そして、 馬頭・牛頭(めず・ごず)に引きずられて地獄道へと進む と書かれている。この分かれ道を右手へと進まなければならないようだ。
かろうじて裸電球が付けられているのが心強い。真っ暗だったら一才進めなかっただろう。
作られたのが江戸時代ということで、人手も少なかったのか、奥に行けば行くほどダンダンと高さも低くなっていく。
そして、進むと三途の川の「奪衣婆」と呼ばれる鬼がおり、さらに進むと、
血の池地獄と番人の「赤鬼」と「青鬼」がいる。
しっかりと作り込まれた地獄道を進んでいくと先ほどの分かれ道に戻ってくる仕組みである。
左手は極楽道へとつながっているそうである。
江戸時代という掘削機械など何もない時代によくこんな穴を掘ったものである。
なんて思いながらどんどん進んでいくと、
ようやく日の光が。
出た先に現れるのは観音菩薩。何やらものすごく安心感。この狭いところから急に解放される安心というものを伝えたかったのだろうか。
ん?
よく見れば、右手に新たな洞窟が見える。進んでみるか。
ほう。
極楽浄土へと行けるようだ。
・・・
信じるのは己の腕力のみ。と言わんばかりの垂直の竪穴が続いている。地獄道よりも極楽に行くのは相当な努力というか徳を積まないといけないのだろうか。
登った先にもまだまだ苦労は続く。ものすごく足場の悪い岩場の斜面を進んでいかなければならない。
訪れた日は前日は九州でも珍しく雪が積もった日。溶けた雪が余計に滑らしてくる。
ハイカラダイブは相変わらず天気運は無いようだ。
そして行き着いた先には阿弥陀如来。ここが極楽浄土らしい。
そして、天空の城ラピュタ並みの木の根の階段をつたって降りていくと、ゴールである。
なんともいえない達成感。ここはまさに地獄極楽のテーマパークであろう。
日本にある地獄といえば別府温泉にある「地獄めぐり」が有名であるが、少し北にあるここでは別府では味わえない本当の極楽というものに出会えるのかもしれない。
別府近くに行った際には是非とも立ち寄っていただきたい。
そんな、ハイカラスポット。
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